生物多様性評価
Biosphere-Viewer
当社は京都大学の基礎研究をベースに新たな生物多様性評価手法を開発し、Biosphere-Viewerというツールとしてリリースしました。
本手法はTNFD Tools Catalogue、FANPSソリューションカタログにも掲載されております。
背景
TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures :自然関連財務情報開示タスクフォース)は、世界の金融の流れを、自然にとってマイナスの結果からプラスの結果(ネイチャー・ポジティブ)へとシフトさせることを目的とするイニシアティブです。TNFDは、企業の事業活動により自然環境にどのような影響を与えているか、自然関連のリスクと機会を組織が把握、報告、対策するためのリスク管理と情報開示に関するフレームワークを開発し、提供することを目指し、中核となるグローバルコア開示指標を示しています。
一方で、TNFDに先駆け公開されたIPBES(生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書 2019)では、人間生活に寄与する自然の価値を評価するにあたって、これまで用いられてきた生態系サービスに代わる概念として、「自然がもたらすもの(NCP: Nature Contributions to People)」が提唱されました。
TNFDグローバルコア開示指標およびNCPはそれぞれ、生物多様性に関し重要な指標であるものの、現状ではこれら2つの指標の直接的な関連性は低く、生物多様性に関する共通解を得るための橋渡し的な分析手法とツールが必要です。そこで当社は、京都大学・東樹宏和研究室の基礎研究成果によって蓄積された生態学、ゲノム科学、情報科学の専門知アセットに基づき、「生物多様性+環境=生物叢(Biosphere)」を可視化し、客観的に評価するための分析フローを、官民様々な領域、事業分野で利用可能なサービスとして提供します。
具体的なツール(Biosphere-Viewer)
(A)環境DNA分析
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DNAメタバーコーディング (原核生物16S rRNA, 真核生物18S rRNA, 真菌 ITS)
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様々な産業活動の土台となる土壌・水環境よりサンプル採取
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生物叢の多様性や構造の解明、時系列モニタリング、生物間相互作用(ネットワーク)の可視化
(B)地理情報解析(GIS)
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事業分野ごとに考慮すべき環境要因をアドホック分析
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Land-use category, Topographic Wetness Index, NDVIなどから生息地ポテンシャルを数値化
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環境DNAデータと地理情報の統合により、空間 x 時間のスケールで生物叢の遷移を予測
(C)フィールドワーク
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生態学の専門家による調査や、現地景観の画像診断により「いま、そこにある生物叢」の情報収集
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目指すべき生物叢のあり方(Biosphere-Design)をon the spotで設計
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