
滋賀県水環境ポテンシャルマップについて
当社は、滋賀県より「滋賀県水環境技術等開発支援補助金」の交付を受け、2024年夏より技術開発を行ってまいりました。
この技術開発は、琵琶湖周辺の湿地(湿原、水域、水田)の生態系についてその環境ポテンシャルを可視化し、開発で避けるべき場所や保全で注目すべき場所などを示すことで水環境の保全に活用できるツールを開発するものです。
・どのような場所でどのような生態系サービスがどれほど期待できるのかという生態系のポテンシャルを地図上に表示します。
・琵琶湖周辺環境から水または土壌サンプルを採取し、採取された地点の環境情報と組み合わせた解析によって、生物多様性や生態系の構造・機能を評価・可視化します。
・上記データに基づいた評価をGISデータに統合し、誰でも容易に使用できるウェブ地図アプリを開発します。
ぜひ成果をご覧ください。
各種ポテンシャルマップ

水湿潤マップ
湿潤度が高いエリアほど濃い青で表示される
湖や川の周辺に加えて窪地など水が溜まりやすいエリアが主に青が色濃くなっている

土壌流出マップ
土壌流出が多いエリアほど濃い茶色で表示される
急斜面は色濃くなる傾向
土壌の種類により流出のしやすさが変化する
急激な色の変化は土壌の種類の差による

検出された水生生物種
サンプルに含まれる水生生物種を色分けして表示
各色のバーの長さはサンプル内に含まれる割合を示す
カラフルな地点ほど多様な生物が生息していると思われる
オイカワのように多くの地点で検出される種もあれば、モツゴのように一部の地点でしか検出されない種もある
生息地ポテンシャルマップ作成プロジェクト
生息地ポテンシャルマップとは
生息地ポテンシャルとは、様々な生き物が生息できる環境として、条件がどれだけ整っているか、という「適性」を数値化したものです。
私たちの住む地域のどのエリアのどんな環境に、どんな生き物が生息できるか、ポテンシャルを地図上に可視化(マップ化)します。
そうすることで、私たちの身近にどのような生き物たちが共に生きているのか、どのエリアに棲み分けしているのか、またエリア間で生き物の交流があるのか、など、地域の生物多様性や生態系について、様々なことが分かります。




多様な生き物を守る

気候変動を抑える

心のよりどころを作る

災害から地域を守る

水資源を守る

学習の機会を作る
地域の生物多様性を知る意味
地域の生息地ポテンシャルを知ることは、単にそこに住む生き物がどれだけいるのかを知る、というだけには留まりません。
多くの生き物が住む豊かな自然環境は私たち自身の生活や社会に、様々な機能(※生態系サービスといわれます)を提供してくれます。左図は代表的なサービス項目です。
我々が住む地域の生態系サービスのポテンシャルを知ることで、より豊かな環境や社会を形作っていくためのヒントを得ることができるのです。